約束はいらない


毎日足跡を残すという目標を掲げながら、実行できていない事を申し訳ないと思いながらもこの二週間程度はそんな気持ちにはなれなかった。

先週は僕を本当の孫のように可愛がってくれた祖父の弟である大叔父が、今週は田舎で飼っていた僕の兄弟の一人であるゴールデンレトリーバーのルーシーが亡くなった。

生命が限られたものだって事は理解している、僕にはどうしようもないって事だって理解している、でも哀しくてどうしようもなかった。

大切な存在を失くす度に思うこと、『僕にはもっと何かが出来たんじゃないか』。

けれど今となってはそれは後悔でしかないから、次には後悔しないように進むしかないんだと自分に言い聞かせる。


叔父が亡くなった時に叔母から聞いた話だが、先月に僕が叔父の入院先に就職の報告に向かった後に末期の癌と宣告され動く事さえままならなかった叔父の様態が一時回復の兆しを見せたという。

そして僕の進路決定を本当の孫の事を喜ぶかのように叔母に連絡してきてくれたんだという。

その言葉を聴いて子供の頃から色々な心配をかけてきた叔父に最後に安心を与える事が出来たような気がして嬉しかった。


僕の兄弟であるルーシーも一年以上も闘病生活を送った末に眠るように穏やかに息を引き取ったと聞いた。

けれど最後は自分の大好きな場所で、祖父の腕の中で過ごせたと聞いて安心した。

12年間という時間だったけど、僕の兄弟が残してくれたものは永遠に忘れる事はない。

人によってはたかが犬と呼ばれるかもしれないけれど、僕にとっては大切な兄弟だったから。

闘病生活に入って御飯もあまり食べることが出来なくて辛かっただろうけれど、やっとゆっくり休めるよね。

今頃僕の妹(シーズー)に会えている頃なのかな?

新たに家族入りした兄弟を見せてあげることは出来なかったけれど、そのうち墓前に挨拶に行くからね。


まだそっちの世界へ会いに行こうとしたら怒られてしまうから会いにはいけないけれど、きっといつか妹達にも会えると思うから、僕は毎日を実感しながら生きているよ。

平凡な日々が、過ぎていく日常がこんなにも大切なものだってたくさんたくさん気付かせてもらったから、今を大切にしていくよ。

時には振り返ってしまう時もあるけれど、僕は現在を生きているから。

今の僕にあるもの、これから先の未来を大切に生きていくから、見ていてね。

『さようなら』とか『また会おうね』とか、そんな約束はいらないから、会えるに決まっているからね。

ありがとう。


少し久しぶりの日記なのにあまり楽しいような話題でなくてすみません。

唐突ですが、今ここを見てくださっている方々も僕にとって大切な方達です。

偶然の出会いで会えた人達だけれど、いつもいつも僕は皆様に助けられながら生きています。

皆様のおかげで僕は笑って生きていられます。

ありがとうございます。

これからも末永くよろしくお願いいたします。

今日の写真は兄弟の凛々しい写真を一枚。

MALICE MIZER / "ma chrie 〜愛しい君へ〜"


空があまりに曇っているものだから、せめて気持ちだけは晴れさせようと思い選んだ一曲。

御存知の方も多いと思われるけれど、現在ソロアーティストとして活動しているGackt氏が在籍していた事で有名なバンド。

MALICE MIZERと聴くと宝塚のように耽美で、ビジュアル系と呼ばれる枠内にカテゴライズされるせいかGacktが在籍していたと聞いても敬遠されがちなのだけど…。

儚さと狂気を感じさせる歌詞やメロディーにより完成された世界観は正直、現在のGacktの音楽とは比較にならない程に美しいもの。

MLICE MIZERについてはまたの機会に語るとして、この一曲はマネキンが人間に叶わない恋をするという哀しい恋の詩…けれど哀しいだけの詩ではなく。

それでいて曲調はフレンチポップとも言うべき軽快に跳ねるようなリズムで、哀しさなどは微塵も伝わってこない。

そうしたアンビバレントな世界を違和感なく表現しているMALICE MIERの…というよりもGacktの非凡なる才能が存分に発揮されている一曲。

今日もこの曲を聴きながら僕はこう口ずさむ。

『雨上がりの朝は水たまりで跳ねて 星降る夜を待ち願いをかけよう ma cherie...』


…そんな気分に浸りながらGacktの新譜『DIABOLOS』に耳を傾けてみたけれど、芸術の域にまで達していた詩世界は最早見る影もなく、音楽性においても様々なジャンルの曲を並べているに過ぎないものとなっていました。

『自分の思い描く世界を追求したいんだ』、そう言って名曲『Mizerable』を産み出したあの人は何処へ行ってしまったんだろうか…ある意味は世界観を感じることは出来るけどね。

そうした理由で僕にとってMALICE MIZERは本当に大切な存在だけれど、曲を聴くたびに切なくなる自分が居る。

海に吼える


今日は家に僕以外の家族が居ないということで、母親が帰宅するまでの間、勉強をしながら空の子守をして過ごす。

天気があまりよくない日々が続くとあまり出歩こうという気分にすらならないので丁度良いのだけど。

実は空は大病を抱えているかもしれないとお医者様に言われている為に、許可を得られるまではあまり興奮させたりしてはいけないのだけど…そこは子犬で、遊びたい盛りなので大変大変。

まだまだ小さくて、うろうろされてしまうと踏んでしまいそうになるので、ある程度遊ばせたりした後はゲージに入れておくのだけど、やはり吼える吼える。

外に出している時も眼は離せず、油断すると空の周辺には小さな海が…。

海に向かって興奮してまた吼える吼える。

吼える事は子犬だから仕方ないとは思うのだけど、トイレはきちんと覚えさせなければいけないのだけど…今の割合的には当てる確立とはずす確立が五分五分程度なので困ったもの。

あまりに吼えて興奮したり、何度もトイレをミスする場合は僕が教育係として怒るのだけど…可愛い我が子を怒るのはこんなにもつらい事なのか。

子供の頃に自らも両親に『貴方の事が憎くて怒っているのではないの』と言われたものだけど、自分が親の立場に立つとその気持ちをよく実感するものです(笑)

もし自分に子供が生まれたらきっと親バカになるんだろうなとそんな事を考えながら、仕事の時間までは自分の時間。

天使のような寝顔を眺めながら本でも読むことにしよう。


山崎まさよし / "メヌエット"


今年の春期に発売された『Romancing SaGa -Minstrel Song-』の主題歌。

吟遊詩人をイメージして作られただけあって放浪と哀愁を漂わせる曲、物寂しくなるこの秋の時期にはまさにピッタリはまる曲。

聴いているだけで物語の主人公である吟遊詩人の眼前に壮大に広がる景色、愛する者へと向けた切ない愛情が伝わってくる。

作品の主題歌ということで、作品の世界観を意識して書き上げられたせいか、山崎まさよしの作品としては少し異質な印象を受けるけれど、出来が悪いという事ではない。

異質というのは曲調としてはあまり山崎まさよし臭さがしないというだけで、あの声が重なったのならもうそれは彼の世界。

デビュー当時に『天才より凄いヤツ』とキャッチコピーを冠されていた山崎まさよしらしく、非凡なる才能を持って物語にすっぽりとハマる曲に仕上げられている。

…とにかく良いんですよ、毎日何回も聞いてます。

彼はどうもその癖の強い歌声のせいで過小評価されがちにあるのだが、個人的には日本でも最高峰のシンガーソングライターだと思う。

特に『アレルギーの特効薬』『HOME』『ステレオ』『アトリエ』等の作品はブルースとポップの融合を目指した音の上に、独特の言葉の世界が重なることで類稀なる世界観を表現している傑作達なので、是非聴いてみて欲しい。

山崎まさよし主演の映画『8月のクリスマス』は観に行くつもりはなかったのだけど、主題歌を聴いて動くまさやんを見てしまったら行かないわけにはいかなくなってしまったよ…。