山崎まさよし / "メヌエット"


今年の春期に発売された『Romancing SaGa -Minstrel Song-』の主題歌。

吟遊詩人をイメージして作られただけあって放浪と哀愁を漂わせる曲、物寂しくなるこの秋の時期にはまさにピッタリはまる曲。

聴いているだけで物語の主人公である吟遊詩人の眼前に壮大に広がる景色、愛する者へと向けた切ない愛情が伝わってくる。

作品の主題歌ということで、作品の世界観を意識して書き上げられたせいか、山崎まさよしの作品としては少し異質な印象を受けるけれど、出来が悪いという事ではない。

異質というのは曲調としてはあまり山崎まさよし臭さがしないというだけで、あの声が重なったのならもうそれは彼の世界。

デビュー当時に『天才より凄いヤツ』とキャッチコピーを冠されていた山崎まさよしらしく、非凡なる才能を持って物語にすっぽりとハマる曲に仕上げられている。

…とにかく良いんですよ、毎日何回も聞いてます。

彼はどうもその癖の強い歌声のせいで過小評価されがちにあるのだが、個人的には日本でも最高峰のシンガーソングライターだと思う。

特に『アレルギーの特効薬』『HOME』『ステレオ』『アトリエ』等の作品はブルースとポップの融合を目指した音の上に、独特の言葉の世界が重なることで類稀なる世界観を表現している傑作達なので、是非聴いてみて欲しい。

山崎まさよし主演の映画『8月のクリスマス』は観に行くつもりはなかったのだけど、主題歌を聴いて動くまさやんを見てしまったら行かないわけにはいかなくなってしまったよ…。